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端午の節句、実は「菖蒲の節句」とも呼ばれるくらい菖蒲と所縁のある植物なんですよ。
「菖蒲湯」以外にも面白い使い方があったのでご紹介します。
菖蒲の葉は強い香りがあり、昔から、この香気で邪気を遠ざけ不浄を洗うとされていました。
どの使われ方もそこからきている習わしだと思われます。
菖蒲枕(しょうぶまくら)
5月4日の夜、菖蒲の葉を用意し、そのまま寝床や枕の下に敷いて眠り、無病息災を願います。
無防備になっている睡眠中は、体の中に邪気や悪霊が入り込んで悪さをするというのを聞いたことがあります。
菖蒲の香りに包まれることで、あらゆる厄災から身を護ろうとしていたんですね。
現代に置き換えれば、寝室でアロマオイルを使うのと似ているような気がします。
もし試すなら、切り口部分はビニール袋で覆うか和紙で包むか、何かしないと寝具を汚してしまいそうな気がします。
菖蒲湯(しょうぶゆ)
湯船に菖蒲を入れて入浴します。
体が温まり神経痛やリュウマチ、肩凝りによくきくとされています。葉より根の方が血行促進効果があるといわれています。
また菖蒲湯は、田んぼの神様を迎えるために行った、禊(みそぎ)の名残ともいわれているそうです。
菖蒲には、神経痛などの痛みを和らげる鎮痛効果や血行促進効果があるとされています。邪気払いというだけでなく、実際の痛みを緩和する効果も期待されていたのですね。
菖蒲湯に使った後の葉はこうして使う
お湯に使って柔らかくなった葉を、頭やおなかに巻きつけます。
・おなかにまくと病気をしない
・頭に巻くと頭が良くなる
なんて言い伝えも(^-^)
菖蒲打ち(しょうぶうち)
端午の節句に行われる男の子の遊びです。菖蒲の葉を編んで縄状にし、地面にたたきつけて大きな音の出たものを勝ち、または切れたほうを負けとしました。
音で邪気を払うという意味があります。
「遊んでいる子供を守ってください!」という願いも込められているんだと思いました。
菖蒲切り(しょうぶきり)
束ねた菖蒲を刀に見立てチャンバラごっこ。
邪気を退治し武道の上達を願がっています。
元をたどると
そもそも端午には、騎射や走り馬のように勇壮な行事です。
鎌倉時代以降は武家行事が盛んになり、流鏑馬(やぶさめ)や印字打ち(邪気払いの石合戦。危険なため後に禁止となる)、凧揚げなど主に武士の行事が盛んに行われていました。
菖蒲切りや菖蒲打ちはこれらの名残りのようです。
それにしても石合戦だなんて、勇ましいというか凄い行事ですね(;^ω^)
現在でも、子供のイベントとして各地で行われているようです。
たとえばお伊勢さんにあるおかげ横丁では、下記のようなイベントが毎年開催されていました。
お住いの近くで同じような催しをしているとこがあれば、見に行ってみるのも楽しですね。
横丁こども菖蒲打ち大会参加者募集
https://www.kankomie.or.jp/event/detail_37017.html古来、菖蒲の葉の強い香りが、邪気を払うとされていました。おかげ横丁では、束ねた菖蒲の葉を地面に打ちつけて、音の大きさを競うと同時に、打ちつけた菖蒲の葉の強い香りで、大地の邪気を祓い端午の節句の厄払いを小学生の男の子にしていただきます。
◆開催日時:5月5日(祝)14:00~
◆開催場所:おかげ横丁内「太鼓櫓」
◆募集内容:小学生
※参加いただいた方全員にささやかなプレゼントをお渡しいたします。
◆申込み:おかげ横丁総合案内(おみやげや)TEL 0596(23)8838まで
清少納言と端午の節句
平安時代を生きた清少納言が、随筆「枕草子」の中で、
「節(せち)は五月にしく月はなし。菖蒲、蓬(よもぎ)などのかをりあひたる、いみじうおかし。」
『端午の節句に及ぶ月はない。菖蒲や蓬などの香りがあふれているのはとてもよい』とほめています。
そして、宮中の御殿や庶民の住まいまで、屋根に菖蒲などを葺いて新鮮である、と菖蒲の香りを楽しむ様子を書いています。
公家や武家、庶民の別なく厄除けに屋根を菖蒲で葺いたことが分かります。
ちょっと想像しにくいですが、疫病払いや邪気払いがこんなに優雅で風雅だったんですね。
まとめ
昔はあちこちに自生していた菖蒲も、現代ではあまり見かけなくなりました。
通販で頼んだり、わざわざ探して買わないと手に入らなかったりして、あまり身近な植物ではないかもしれません。
でも、こんなに歴史のある伝統行事を、試さないのは勿体ないと思いました。
私がやってみたいのは菖蒲枕です。
理由は、とってもいい夢が見られそうだし気持ち良く眠れそうだから(´艸`*)
よければ試してみて下さい。
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