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手の平やワキなどの局所に、理由もなく多量の汗が出る症状を、原発性の局所多汗症といいます。
手のひらは手掌多汗症(しゅしょう・たかんしょう)といいます。
多汗症の原因はハッキリしていませんが、交感神経(自律神経のひとつ)が過度に反応するために起こるとされているようです。
私は子供の時から多汗に悩まされてきました。
特に酷かったのは手の平・足の裏。
足はまだ何とかなりますが、手の平が汗で濡れるのは本当に困りました。
更に困ったことに30歳を過ぎた頃から、脇や頭、肘の内側にも汗をかくようになってしまいました。
どう困っているのかといえば、ワキ用汗取りパットをつけてても、汗が多くてすぐに剥がれたり、暑くもないのに頭からスポイトで垂らしたような玉の汗が流れ落ちてくるからです。
大袈裟と思われるかもしれませんが本当なんですよ。
年齢を重ねて多少衰えたかな?と感じる部分はありますが、現在もずっと汗とのお付き合い続いております。
今回、そんな私が勇気を出して病院に行ったときのことを書いていきます。
手汗を止めたくて皮膚科を受診
病院を受診したのは15年くらい前のこと。
日付は覚えていないので多少前後するかもしれません。
受診したきっかけ
私と同様の酷い手汗に悩んでいた知人が、東京の病院で手術を受けた話を聞いたことがきっかけでした。
知人が受けたのは腋窩汗腺切除(えきかかんせんせつじょ)だったと記憶しています。もしかしたらETS(手掌多汗症の内視鏡手術)だったのかもしれません。
ちょうど、TVで多汗症治療を積極的に行っている医師(病院)を扱った番組が
放送された頃でした。
その番組を私も見て、私も手術を受けたい!と思っていたところだったのです。
でも東京ということで、地方住まいの私はおいそれと行くことも出来ず、その時点で諦めていました。
知人が手術を受けたきっかけは聞いていませんが、今後の人生を考えてのチャレンジだったそうです。
手術後、傷が治りにくい体質が災いして大変だったようですが、手汗は全くなくなったと聞きました。
ただ、やはり代償性発汗(手の平や腋窩胸・背・腰・腹などに発汗が増えてしまう)で足の裏などに、それまで以上に大量の汗をかくようになったそうです。
(※)実は代償性発汗が強く、手術前より苦しむ結果になることもあり、訴訟に至るケースもあるようです。
そのかわりに手の平には全く汗をかかなくなったそうです。
仕事も順調にすすめられ、ストレスが無くなって満足していると話していました。
羨ましいと思いました。
ただ、お付き合いが途絶えてしまったので現在のことは分かりません。
もしかしたら再発しているかもしれませんし、代償性発汗が酷くなって悩んでいるかもしれません。
受診
話を戻します。
そのことががきっかけで、私自身も一度きちんと診察を受けることにしました。
でも、当時、身近に多汗症を専門的に扱う病院は見当たらず、取り敢えず評判のいい皮膚科に行くことにしました。
受診の当日、いつものように両手は汗びっしょり(;´∀`)
憂鬱でしたが『何らかの治療法を提案して貰えるだろう』そんな期待を抱いて出掛けたのを覚えています。
病院に到着すると待合室は満員状態で、受付だけ済ませ外出する人もいました。
『これだけ患者さんが詰め掛けるのは腕のいい先生の証拠、自分の多汗症も何とかなるかもしれない』と期待に胸が膨らみました。
それから4時間後、ようやく診察室に呼ばれた私。
ところがです、待ちに待った診察なのに、この4時間の間にとんでもないことが起こっていたのです。
なんと!!
診察の1時間前あたりから手の汗が乾いてサラサラになっちゃったぁ!?
ええ!!
あ、有り得ない…(;゚Д゚)
まさに青天の霹靂・・・
『なんで!』と心の中で叫びました。
『どうして?よりによって今なの!?』
10代の頃は常に汗びっしょりでした。
でも、実はその頃、数日おきに数時間、ほんの数分というサイクルで汗をかかない期間が出現し始めていたのです。
調べていく中で、原発性の手掌多汗症は、原因不明だが発汗と乾いた状態を繰り返すと書かれたものを読んだ事があるので、本来の状態になりつつあったのかもしれません。
それが、いよいよ診察室に入るという時にきたのです。
手の平サラサラ、すべすべ
経緯を話しましたが、私の手を先生の両手で挟んで湿り具合を確かめて言われたのは
『たいしたことないよ。あまり気にしないように、精神的なものもあるから』
でした。
(;´д`)トホホホホ
…そりゃそうですよね(泣)
一応、塩化アルミニウム液を処方してくれましたが、大した汗でもないのに気にし過ぎな患者さんになってしまいまいた。
自分の汗で手の平がかぶれて水疱ができ、皮が剥けて真っ赤に荒れたりしていたのに。
どうしてあの時に限って、汗が引いてしまったのか、本当に悲しくて悔しかったです。
受診した結果考えたこと
偶然、たまたま、といってしまえばその通りだと思います。
でも、4時間待っている間「手汗とサヨナラできるかもしれない』という気持ちで、交感神経が有り得ないくらい落ち着き汗が引いたとしたら?
手掌多汗症は精神的な病ではないと思います。自律神経は自分の意志でどうにかできるものじゃないですし。
ただ、もしかしたら私の多汗症は精神的・心理的に落ち着くことで、乾いた状態を早く出現させる可能性もあるのでは?と、そこにかすかな希望を見出していました。
それと同時に、このとき『治療』という手段はは諦めることにしました。
『たった一回のトライで諦めるなんて、結局はその程度でたいした多汗じゃないんじゃないの?』
と言われそうですが、汗に疲れ切って受け入れて?諦めて?いたので、治療より対処療法(※)の方が自分には向いていると判断したのです。
また、手術を受たとして、さらに悪い状態になってしまう可能性もあることを知り、私にはその覚悟はできませんでした。
これ以上酷くなるなんて耐えられないと思いました。
それに病院探しをする気力も湧いてこなかったのです。
消極的な方法ですが現状維持で行くことにしました…
そこで私のとっている手汗対策
その当時から今も、私がおこなっている対策を箇条書きにしてみました。
・瞑想というかイメージ療法、何冊か本を読み出来そうなところを取り入れて自己流でやっています)
・ハンカチやハンドタオルを持ち歩く
・手洗い
綿100%の手袋だと汗が染みてもなかなか乾かずいつまでも湿っているので、化繊が入っているものを使っています。
・塩化アルミニウム
外用薬。病院で手の平用として、濃度20%の塩化アルミニウム液が処方されました。痒くなるなどの副作用が起きたりすることも…
薬局で市販品も手に入ります。
テノール液(佐藤製薬)わき用制汗剤
オドレミン(日邦薬品)わき用制汗剤
塩化アルミニウム
病院で処方されたものを使いましたが変化はありませんでした。
手の平が痛痒くなり、汗が染みて辛くなりました。
その後、普通の制汗剤も試しましたが、手がベタつき荒れるだけでした。
20%の塩化アルミニウム液で効果が得られないのに、それより濃度の薄い市販品で効果が得られないのは当然ですよね…
・ツボ押し
軽く手を握り中指の先が当たる所、老宮(ろうきゅう)を押しリラックス効果を得ます。
私が参考にした幾つかのサイトでは、5秒くらい押して5秒離すを5回
程度繰り返すとよいとありました。
私は軽くもむような感じでやっています。
どこでもできるので、緊張をほぐしたい時にいいと思います。
実感として、効果があるのかないのか分かりません。
何もしないよりはいい筈と思ってやっています。
もうひとつ、手の甲、親指と人差し指の骨の付け根の辺りにある合谷(ごうこく)もきくそうです。
親指で優しくゆっくり押すくらいがいいそうです。
それから一番最後に『諦めて受け入れる』ことです。
でも、時々、『もう嫌だーーーー!!!』と叫び出したくなる時もありますが。
年取ったからでしょうね。
ここまで来たら、もう諦めて受け入れてやっていくしかないよね、という。
手の平の汗が気になって、毎日が辛くて悲しい日々を長年やり過ごしてきた結果だと思います。
どうしようもないかな~と。
私は試していませんが、その他、よく紹介されている治療法
・薬物療法(神経遮断薬)
多汗症の認可薬プロバンサイン(主成分、臭化プロパンテリン)を服用する。
視聴節障害、胸がドキドキする、口渇、などの副作用がるそうです。
・ドライオトニック
多汗症治療器具(アメリカ製)
電気を流して一時的に発汗を減らす。
個人輸入で入手可能。効果には個人差があるそう。
・ボツリヌストキシン治療
ワキにボツリヌストキシンという薬剤を注射する治療法。
高価の持続期間は平均6カ月間程度。
効果には個人差があります。
・腋窩汗腺切除
脇の下の汗腺を切除する手術。
・ETS(Endoscopic Thoracic Sympathectomy)、胸腔鏡下胸部交感神経遮断術のこと。
副作用として、下半身の発汗が多くなる『代償性発汗』が現れる場合もある。
この副作用が激しく出ることもある。
保険適用外。
ただし、医師により重度の原発性腋窩多汗症と診断された場合のみ、健康保険が適用される。
気になる手汗緩和商品『ファリネ』を試してみた
『諦める』
そうはいっても定期的に訪れる手の平の発汗を、少しでも押えたいという気持ちは持ち続けています。
そこで気になった手汗に効果があるという制汗剤で、『ファリネ』という製品を申し込んでみました。
ファリネを選んだ理由は粉末でサラサラになりそうなイメージが良いなと思ったから。
パフの部分を取り外して、手の平に粉末を出したところ。
私のファリネを使ってみた感想
汗が少ないとき(手の平にうっすら汗が滲む程度)には有効でした。
粉末が汗でよれることもなく、サラッとさせてくれてとても良かったです。
でも発汗量が多い時は太刀打ちできませんでした。
そんなときは手を洗ってタオルで拭き、ドライヤーで乾燥させてから付けていたのですが、残念ながらどうにもなりませんでした。
3ヶ月続けましたが大きな変化は見られなかったです。
無添加で肌に優しいということでしたが、チクチクして手の平の皮が突っ張るような感じがするようになり、徐々に使わなくなりました。
あと、携帯するにも便利だし、出先でパフパフするのも簡単そうでいいなと思ったのですが、出先で使いたい時に意外に手間取るのも遠退いた理由のひとつ。
この辺りは使う人によって個人差あると思います。
やはり私には手袋や手洗いの方が使い易く感じました。
期待が大きすぎたのかも。
その他に試してみたいと思った商品
それは『テサラン』という商品です。
夏を前にして、近頃、このテサランが気になっています。
クリーム状だとベタつくからかえって良くないんじゃないの?と敬遠してたのですが、定期購入では無く単品で購入できるので試しやすいなと思って。
この手の商品は、初回から定期購入のものが多くて二の足踏んじゃいます。
悪いわけじゃないけど、定期購入って、続けたいと思ったときに初めて考えませんか?。
あと、容器が小さめな(に見える)わりに、1本でおおよそ3ヶ月(1日3回使用の場合)使えるのもいいし、ハンドクリームみたいで職場や出先で使い易そうです。
そんなこんなで、ただいま検討中なのでした。
まとめ
久々に手掌多汗症のことを調べたら、たくさんの情報があって、改めて大勢の人が悩んだり苦労していることを知りました。
私自身も汗の量は多く、酷い方だと思います。
これのために諦めたことも色々ありました。
でも、数十年この汗とお付き合いしてきて、思いつめなくりました。
諦められたのかな?
私がいい年になって先も見えてきたから、かもしれません。
そうは言っても大汗が続いた日には今でも泣きたくなりますが、開き直って手袋してパソコンいじったりしています。
長々と書いてしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
コメント
はじめまして。病院の話読んでて笑ってしまいました。そうそう、自分も病院のクーラーなのか気兼ねなく話せるという安心感からか受診する時手がサラサラになっちゃったんですよね笑
Takkunさんへ
こんにちは。
Takkunさんも同じご経験なさったんですね。
そうなんです。あの時の何とも言えない気持ちは忘れられません…(^◇^;)
共感のコメントありがとうございました。